最近の仕事(吉本隆明論)

 ◆「老いぼれた親鸞と、猫たちと、吉本隆明と、妄想のホトトギスと」(37枚、「現代思想」2019年3月号)

現代思想 2019年3月号 特集=引退・卒業・定年

現代思想 2019年3月号 特集=引退・卒業・定年

 

 

新刊『安彦良和の戦争と平和』

安彦良和の戦争と平和-ガンダム、マンガ、日本

 

 この本は、安彦良和氏のご自宅に通い、20時間近くの取材をもとに作られました。
 とはいえ、対談ではなく、インタビューでもありません。安彦氏のマンガ作品に出てくる未熟な青年たちのように、植芝盛平武田惣角宮本武蔵のような武術の達人に挑みかかっては投げ飛ばされ、また立ち上がっては大地に転がされる……。そうしたイメージに近いかもしれません。
 安彦氏のマンガやアニメ作品は、すぐれたエンターテイメントでありつつ、歴史、政治、宗教、民族、アジア、革命などの様々な困難な問題に正面から対峙しています。安彦氏の作品の全体は、私たちにあたかも、現在の「日本」を根本的に問い直すことを促しているかのようです。
 本書を入門編の一つとして、これから、新しい世代の読者が安彦氏の作品に触れてくれればいい、そして安彦良和という巨大な存在の全貌が次第に明らかになっていけばいい、と考えています。
 どうぞよろしくお願い致します。

最近の仕事(男性学特集)

 

 ◆「ラディカル・メンズリブのために」(40枚、「現代思想」2019年2月号)

 

現代思想 2019年2月号 特集=「男性学」の現在 ―<男>というジェンダーのゆくえ―

現代思想 2019年2月号 特集=「男性学」の現在 ―<男>というジェンダーのゆくえ―

 

 

2019すばるクリティーク賞決定



 2019すばるクリティーク賞の受賞作が赤井浩太氏の「日本語ラップfeat.平岡正明」に決まりました(「すばる」2019年2月号)。
 現代の日本語ラップ谷川雁平岡正明の系譜の中で読むという論争的批評であると同時に、仮借なき現実批判が自らの身体へも転じていく自己破壊的(超越論的)な批評でもある(と、僕は読みました)。日本語ラップを知らない人が読んでも、新しい感覚が開かれるのではないか。僕自身も、フリーター論で実質的にデビューした時の初志を鈍い痛みとともに思い出しました。昨年の近本洋一氏に続き、新しい才能との出会いの場になりました。感謝と祝福を。
 大澤信亮杉田俊介浜崎洋介中島岳志の選考座談会も掲載されています。
 2020年のすばるクリティーク賞の募集もすでにはじまりました。3年目です。4年目があるかわかりません。志ある新しい批評家との出会いを待っています。
 なお同号にて、安藤礼二氏の大著『大拙』の書評を書いています。こちらもよろしければ。


http://subaru.shueisha.co.jp/critique/history/

最近の仕事(高畑勲論)



 ◆「淋しさについて――高畑勲ノート」(20枚、『高畑勲河出書房新社、2018年8月23日)