2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

障害者福祉の仕事について、自分の信じるべき方向性を見失っている感じがする。単純に、経営・経済的な逼塞のためかもしれないけど。何に重点を置き、力を注いでいいのか、わからなくなってしまった。何をしても間違う気がするし、といって「何もしない」で…

『ミスティック・リバー』――それは本当に「どうしようもない」のか?(2)

見てみよう。 ティム・ロビンスは、少年時代に誘拐・暴行されたうえ、その後の人生でも風評=二次被害に苛まれ(ケヴィン・ベーコンの同僚の刑事は、偏見的に彼をケイティー殺人の犯人と疑う)、傷から逃れることが出来ない。 人は内的トラウマは消えないと…

『ミスティック・リバー』――それは本当に「どうしようもない」のか?(1)

人生の「どうしようもなさ」とは何か。 ずっとそのことを考えてきた。 ショーン・ペン/ケビン・ベーコン/ティム・ロビンスの少年時代。彼らが路上で遊んでいると、この世界そのもののような、理不尽な暴力が訪れる。 二人の男の手で、子供時代のティム・ロ…

押井守『イノセンス』――誰が無垢を必要としているか、無垢を必要とされた誰かは何を必要としているか

少し前に、押井守の作品を何作か、まとめて見た(『ビューティフル・ドリーマー』『パトレイバー2』『アヴァロン』『攻殻機動隊』『イノセンス』)。中でも惹かれたのは『イノセンス』で、3度見直し、DVDを購入した。(注1) 『イノセンス』(二〇〇四…

障害者福祉の現場に関してインタビュー記事の依頼を受けた。『d‐learning』(発行・株式会社ディスコ教育広報事業部)という、高校の進路指導担当の人々へ向けたフリーペーパーに掲載される。全国の高校へ、約1万5000部も発行されているらしい…

介護給付の自己負担

遅くなったけど・・。 http://kaigoseido.exblog.jp/1544472 http://d.hatena.ne.jp/lessor/20050420 「扶養義務の範囲について、成人障害者の場合は、親や兄弟を扶養義務者からはずすことで合意しました」。 ただし、「扶養義務者が所得税の障害者控除を使…

舵を(少し)きれ

先週位からあれこれ思いをめぐらしていたことについて、「覚悟」(と今後5年スパンの生活の基本方針)がすっと定まった感じがあった・・。すこし、たぶんすこし、舵を切った。コンパス程度の方針だから、生活の厄介さ・暗礁にぶつかり続け、蛇行気味の航路…

…[ひきこもり系][当事者主権]読んだあとの、助走ノート(4月22日の追記)

その後『不登校は終わらない』を読んだ。また東京シューレのコメントや、その他ネット上の文章も幾つか読んだ。 まず、確認すること…。 (1)杉田は、不登校の問題を、本当に切実に考えてはいない(感覚的に、実感できない)。 (2)不登校のことが自分の…

『不登校は終わらない』を読む前の、助走ノート

貴戸理恵さんの『不登校は終わらない―「選択」の物語から“当事者”の語りへ』は、発売直後に貴戸さんの知り合いだという知人から買っていたけど、これまで読んでいなかった。また本書をめぐっていくつか論争が生じていることは知っていたけど、それも読んでい…

三つの切断線――平成17年4月/平成17年10月/平成18年1月

4月のヘルパー単価の大幅切り下げで、支援費(身体・知的障害関係)中心の事業所はどこもたいへんだ。収入が30〜40%は落ちる。 これだけは言っておきたい。「この制度では、今後、障害者の地域生活支援を新しくゼロからはじめようとする事業者は出てこ…

さまざまな眼143 古谷利裕・展

地元で古谷さんの展覧会が。久々に絵を見に行こうかな。http://homepage2.nifty.com/k-bunkazaidan/samazamaname.htm 4月21日(木)〜5月17(火) かわさきIBM市民文化ギャラリー(川崎市川崎区日進町1-14)TEL044-233-3400 午前11時〜午後7時(会期中無休) ↓以前(…

横浜のヘルパー事業所

前に少しふれた横浜のヘルパー事業所の件について。 9日の読売新聞に、横浜市の外郭団体「市福祉サービス協会」が、移動介護事業を、2006年度中に休止する方針、と報じられた。事業収支の試算結果が、1億円余りの赤字と出たため。同協会を利用する障害…

メモ(障害年金専門の社会保険労務士事務所があった)

http://www.shougainenkin.com/

heuristic ways

うかつにも今日まで全く気付かなかったのですが、3年前からのネット知人で、「フリーターズ・フリー」掲示板でも何度もコメントをくれているmatsuiさんがブログを始めていました(上山さんのページとも相互にトラックバックが・・)。 http://d.hatena.ne.j…

日本国憲法についてのメモ・・

『広告批評』の特集「日本国憲法第9条」を読んだ。68人のアンケートと、池澤夏樹・大塚英志・高橋源一郎の鼎談。 日本国憲法に関してはぼくは全然勉強もしてない。でもきちんと考えたい、とは感じていた。今のところ考えていることを、少しメモ。 「君は…

サクラ

午前中、自閉症の子と多摩川で戯れる。せせらぎ館(http://www.seseragikan.com/)の周辺は桜が紫色に舞い散る。老人デイの一団など、人もたくさん。その子は、桜に関心もないようす。いつものように、彼は彼なんだった。帰りぎわ、登戸駅方面へ迂回し、二ヶ…

ヘルパーの医療行為

ご存知かと思うけど、ホームヘルパーの医療行為が一部認められた。「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取扱いについて」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20050324_01.pdf)。川崎市には、在宅で呼吸器などをつけている人がたく…

「地域包括支援センター」

(24日の消えてしまったぶん、再度メモ。) →http://careworker.seesaa.net/article/2526806.html 障害者福祉の世界でも導入される見込み。社会福祉士の常勤を義務付ける。宙にういていた社会福祉士の需要が一挙に増える。地域包括支援センターでは、福祉…

第二期GDPに向けて・・

GDP(http://rond.jp/gdp/)だが、この秋に予定の第2回セミナーへ向け、準備中・・*1。この場ではあまり紹介できないけど、かなり《運動体》っぽくなってきた・・。よくも悪くも・・。 当事者・行政・支援者・市民をきちんと巻き込んで=巻き込まれて、…

「格差」についての雑感――追記(4月8日)

以下、追記。ある人とのMLでのやり取りから、一部を修正して抜粋。 ぼくのフリーター論は、書き進める中で、たたかうべき他者を真性の「リバタリアン」として発見し名づけたし、それに対する対抗原則を「平等」と「分配」と名づけた。そしてそれは「救急車…

「格差」についての雑感

「格差」という言葉が無闇に口にされ、飛び交う。 一方の人間は「結果的に生じる格差はよくない」と主張する。他方の人間が「自由競争を通した格差はよい」と主張する。 でも、そこで本当に《格差》の残酷さが問われているのかな? 素朴に少し首をひねる。少…

福祉のボランティア化という「陥穽」

栗田隆子さんの「ボランティアとは何か〜本当の「闘争」を見出すために〜」(『寿支援者交流会』2005年春号)を読む。 人間の「善意」の中にひそむ権力意志(特にボランティアやケアなど福祉領域)――に対する栗田さんの身体的な違和感は、いつも繊細かつ…

教育と福祉のハザマで・・

新規の依頼が多い。ここ数日でどっと依頼が。障害児(のお母さん)の依頼が顕著。新学期だから。 学校側の受け入れ体制がない。入学式に参加できない。一番最初の一番大事な時期。ここだけでも通わせたい。でも、制度もない(あるけど使い物にならない)。ど…

移動の自由のこと・・(1)

知り合いに脳性まひ(けい直+アテトーゼ)の女の子がいる。 少し前に「全身性障害者ガイドヘルパー研修」を受けたのだけれど*1、彼女がその場で講師の一人として話したこと・・。 現在の体調は非常によい!ベストの状態。通常20歳を超えると老化の始まり…