「障害者産業」化

 アメリカではホームレス支援目的のNPOが極めて多いが、それが膨大な専従スタッフや事務作業を抱え込んでいく結果、予算の大部分がホームレス当事者に行き渡らず、NPOスタッフの人件費に消えていくという事実が問題とされることがある。これはNPOの「ホームレス産業」化と言われている。
 「ホームレス支援は1つのビジネスになった。元の原因を解決せず、大きな産業を作っただけだ。80年代に支援団体は食料、衣類、シェルターを要求した。政府は多額のお金をそれらの団体に出した。そこに貧しくない人が大勢働くようになり、産業ができた。政府の問題がNPOの問題になり、さらに個人の弱さの問題になってしまった。他の団体は個人を直そうとするが、私たちは社会を直そうとしている。ホームレス問題は、社会構造の問題なのだ」(「Shelter-less」№10、原昌平「矛盾に立ち向かうアメリカの当事者運動」より、サンフランシスコ・ホームレス連合代表ポール・ボーデンの発言)。
生田武志『野宿者襲撃論』http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/attack1.htm