2005-01-01から1年間の記事一覧

トークセッション

以下のイベントに参加させてもらうことになりました。 http://www.junkudo.co.jp/event2.html フリーターとネオリベ現代生活 われわれの生の無条件の肯定のために 矢部史郎、杉田俊介 2006年2月18日(土)19時より 矢部史郎(やぶしろう):1971年生まれ。AC…

ゴダール「と」、…

ゴダールをちゃんとみてきたわけではない。彼について知っている事柄は二、三しかない。正直、ペダンチックで超絶技巧的なところがうざったいし、心からは好きになれなくもある。しかし、限界を超えて行く所まで行こうとする人はやはり凄い、と率直に感じる…

ゴダール『勝手に逃げろ/人生』について、ちょっと思ったこと。

勝手に逃げろ/人生 [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2005/11/25メディア: DVD クリック: 54回この商品を含むブログ (19件) を見る ゴダールの映画『勝手に逃げろ/人生』(1979年)で、これは主要な人物たち(映画監督のポールと…

生田武志『〈野宿者襲撃〉論』

「野宿者襲撃」論作者: 生田武志出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 93回この商品を含むブログ (45件) を見る 本書の刊行が決まった時、ぼくは浮かれた内容の紹介文を書いた(http://d.hatena.ne.jp/sugitasyu…

増刷

フリーターにとって「自由」とは何か作者: 杉田俊介出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/10/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 150回この商品を含むブログ (75件) を見る 『フリーターにとって「自由」とは何か』が増刷されました。購入していただい…

経済学と経済学批判

id:dojinさんが「むやみに経済学を批判してはいけない。」(http://d.hatena.ne.jp/dojin/20051206)で言われていることは正しいと思う。「残念ながら、経済学を知らない人たちのナイーブさを嘆きながら、実にナイーブな価値観を持つ(と私には思われる)経…

対抗的九〇年代?

今月12月号の『現代思想』(特集1990年代論)所収の毛利嘉孝さんの「対抗的九〇年代」という論考が、杉田の本をかなり長めに批評している。 杉田の本の「運動的」「能動的」「構成的」なポテンシャルを意図的に引き出した文章で、単なる紹介ではなく読…

ブログマガジンのインタビュー

少し前に、以下の雑誌のインタビューを受けました。 書店・コンビニで買えるそうです。8日発売予定。よければご覧下さい。誌 名/「ブログマガジン VOL.1」 発売日/平成17年12月8日(予定) 装 丁/A4変型 価 格/680円 コンセプト/ブログ総合情報誌 発…

小林秀雄『感想』の感想

小林秀雄のベルグソン論『感想』を通読した(新潮社版『全作品』別巻1・2)。 『感想』は「新潮」1958年5月号から連載が始まり、63年6月号で未完のまま連載を中断、後年小林自身が、家族と新潮社にその刊行を「禁止」している。小林は岡潔との対話…

ajisunさんによる立岩真也『ALS』への違和感

http://d.hatena.ne.jp/ajisun/20051124 立岩さんの本のおかげでALSはその筋ではけっこう有名な難病になったけど、あの本は立岩さんの理念と理想で書かれているから、あの本のとおりがALSの現実ではない。衛さんと操さんにしか会ったことがない立岩さんは自…

書評・コメント一覧

現時点で杉田が知る限りのものです(匿名ではなく、かつ内容に何らかの形で触れているものに限りました)。 ■大澤信亮さん/(http://www3.ocn.ne.jp/~camp/「雑感」9.30.2005) ■生田武志さん/杉田俊介「フリーターにとって『自由』とは何か」(http://www…

ストローブ=ユイレ『ルーヴル美術館訪問』(2004年)

殆どのショットがルーヴル美術館の絵画の固定ショット。あと数回のブランクと、2つの美術館外部の風景のショット、最後の森の中のショットはストローブ=ユイレ『労働者たち、農民たち』(2000年)の冒頭部分からの自己引用。『セザンヌ』と同じくギャ…

ストローブ=ユイレ『セザンヌ』(1989年)

セザンヌ/ルーヴル美術館訪問/アン・ラシャシャン/ロートリンゲン! (ストローブ&ユイレ コレクション) [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/10/22メディア: DVD購入: 5人 クリック: 54回この商品を含むブログ (22件) を見る より。 「作家…

人文書院松岡さんより、京都新聞11月6日に載った田崎英明さんの書評をファックスしてもらった。とてもいい書評。京都新聞はローカル誌とはいえ京都・滋賀では全国紙を凌ぐ購読数との事。8日朝の朝日新聞の人文書院の広告(一面の右下)も含め、少しでも…

山城むつみ『ドストエフスキー』

山城むつみ『ドストエフスキー』の連載第3回がついに『文学界』に掲載。毎回のことだけど、読むと自分の書き直し中の数点の批評(村上春樹論も小林秀雄論も『EUREKA』論も)を全て破棄し虚無に帰したい感覚に見舞われる。いったい自分は何をやってい…

生田武志『〈野宿者襲撃〉論』

ついに刊行されます!絶対的オススメ本。自分の本の刊行に匹敵するくらい嬉しい。ただし、まだその豊饒な全体像はぼくも目にしていない(『エフェメーレ』1号所収の「前半部」や生田さんのWEBで公開中の諸短文は繰り返し熟読している)。実際に単行本を…

クリント・イーストウッド『ミリオンダラー・ベイビー』

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2005/10/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 190回この商品を含むブログ (531件) を見る 絶句。後半、一挙に安楽死・尊厳死映画へと転調する。凡百の「障害者もの」よりはるかにす…

障害者自立支援法の、成立

身体、知的、精神の障害種別の施策の一元化や利用者の原則1割負担導入を柱とする障害者自立支援法が31日の衆院本会議で、与党の賛成多数で可決、成立した。来年4月1日に施行する。 (時事通信) - 10月31日15時1分更新 (http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=…

生田武志さんの書評

http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays8.htm ■2005/10/20■ 杉田俊介「フリーターにとって『自由』とは何か」 杉田俊介「フリーターにとって『自由』とは何か」(人文書院・10月25日発行)を読んだ。 「フリーター的で、長期的な安定や保…

(続)

フリーターにとって「自由」とは何か作者: 杉田俊介出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/10/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 150回この商品を含むブログ (75件) を見る http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4409240722/qid=1129652091/sr=1-…

フリーターにとって「自由」とは何か

http://www.jimbunshoin.co.jp/mybooks/npb.htm#フリーターにとって「自由」とは何か 人文書院の近刊案内にアップされました。予約も出来るようです・・。 書名:フリーターにとって「自由」とは何か 著者:杉田俊介 四六判並製220頁 価格1600円 刊行予定05…

仲俣暁生さんのエントリー

「人的資本」という概念で、福祉国家の解体後における新しいセイフティネットを構想する稲葉振一郎の『「資本」論』に対して、以前『エフェメーレ』という同人誌で私にインタビューをしてくれたことのある杉田俊介くんが憶えたという「怒り」の意味をずっと…

よければご覧下さい

ここ(http://d.hatena.ne.jp/x0000000000/20050924)のコメント欄が、割と盛り上がっています。障害者福祉関係者が主で、マニアックかも知れませんけど。「生存の無条件の肯定」など、この領域でのぎりぎりの「真理」が、どれだけ他の領域の人々の心にしみ…

暗い時代のヒトビト

アレントの『暗い時代の人々』を読み始めたが、面白いです。暗い時代の人々 (ちくま学芸文庫)作者: ハンナ・アレント,阿部斉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/09/07メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 12回この商品を含むブログ (31件) を見る なるほ…

id:matsuiismさんの(異和の感覚を含む)コメント

杉田さんのテーゼは、フリーターの多くが日々の生活の中で突き当たる困難や行き詰まりを内在的に分析・批評した表現であり、フリーターが労働者としての「階級的な意識」(他の階層や集団との関係)をもつことができない現実を表現していると思う。(略) た…

自立支援法の施行は4月1日に

http://www.kaigoseido.net/sienho/05/0924sekou.htm 自民党・公明党の厚生労働部会は自立支援法の実施を来年4月1日とする改正を加え、今 国会への提出を決めました。 自民部会、障害者自立支援法案の今国会提出を了承 自民党厚生労働部会は22日、障害者自…

稲葉氏のコメント

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20050914 # ROY 『告げ口のようで気が引けるのですが、新刊への辛辣な批判=批評を見つけたので紹介。 ■稲葉振一郎『「資本」論』は、恥知らずだと思う。 http://d.hatena.ne.jp/sugitasyunsuke/20050911/1126706904 …

『「資本」論』論(1)(9月17日)

まず識者の方にお尋ねしたい。この本のⅠからⅢ章までの、冗長な・持って回った・不明確な議論に、稲葉氏の何かオリジナルな視点、鋭敏な論点がひとかけらでもありますか。自分には読み取れなかった。あれば自分の誤解をまずは正します。つまり、批評すべきはⅣ…

稲葉振一郎『「資本」論』は、恥知らずだと思う。(9月14日)

上のテーゼのあとは当面新しいエントリーはしない予定だったが、あるゆるしがたさを覚えたので、少し前口上を書く。テーゼの初志ともつながると思われた*1。 「資本」論―取引する身体/取引される身体 (ちくま新書)作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 筑摩書房…

リベラリズムその可能性の中心(の、ためのノート)(9月14日)

id:chikiさんの「9.11選挙と新たな時代。」(http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20050914 )。 chiki氏から長大なレスポンスをもらった。率直に感謝します。以下、思ったところを整理しつつ、少し述べます。 chiki氏は、東浩紀の議論を踏まえ、今後は「多様性…