生田武志『〈野宿者襲撃〉論』
ついに刊行されます!絶対的オススメ本。自分の本の刊行に匹敵するくらい嬉しい。ただし、まだその豊饒な全体像はぼくも目にしていない(『エフェメーレ』1号所収の「前半部」や生田さんのWEBで公開中の諸短文は繰り返し熟読している)。実際に単行本を読了してから書評を書きます。生田さんに、そして『フリーターにとって「自由」とは何か』『〈野宿者襲撃〉論』という「無名の」著者の手による著作の刊行を、困難な条件の中で、独特の粘り強さで実現した人文書院の若い編集者・松岡さんに、心から感謝とおめでとうを伝えたい。そして始まりはむしろこれからだというシンプルな事実、「この項続く」を自分の中で再確認したい。
http://www.jimbunshoin.co.jp/mybooks/npb.htm#〈野宿者襲撃〉論
書名:〈野宿者襲撃〉論
著者:生田武志
46番並製250頁 価格1800円 刊行予定05年11月下旬販売
ISBN4-409-24073-0 一般/社会問題
胸を衝く衝撃。少年らによる野宿者への集団暴行から鮮烈に捉える10代のいま。
報道による印象とは裏腹に、戦後日本の青少年の殺人者率は下がり続けている。しかし、その一方で数十年前から日常的に頻発する、少年らによる極めて残虐な暴行事件が存在する。それが野宿者襲撃である。時には明確に殺害を目的とした集団暴行。彼らはなぜ襲うのか。根深い社会の偏見、少年・少女を覆う日常のストレス、存在の不確実感、血を見るような生々しさへの希求…。襲撃を乗り越え、社会で居場所(ホーム)を失った二つの「ホーム」レス(野宿者/少年・少女)に連帯の道を開くにはどうする? 資本・国家・家族の変容とともに、若者の生の声を拾いつつ、10代のいまを鮮烈に描き出す気鋭による力作。わかりやすくコンパクトな「野宿者問題の授業」付き。
生田武志(いくた たけし)/1964年生れ。同志社大学在学中より大阪・釜ヶ崎にて野宿者支援活動に関わる。2000年、群像新人文学賞・評論部門優秀賞受賞。