先週から微熱がじりじり続くと思ったら、持病(?)のヘルペスだった。微熱で体調が悪くヘルペスに罹ったのか、その逆か。年に1〜2回は罹る(前回は11月後半)。前にも書いた気がするけど、友人の奥さん(薬剤師)に聞いたら、最近のヘルペスは慢性化の傾向にあるらしい。罹る人の数も増え、年に数回罹るパターンも増えた気がする、と。その薬剤師さんもそうで、ゾビラックスをひそかにストック。アトピー性皮膚炎で肌の弱い人は、たぶん発症しやすいし、クセになりやすい。バルトレックスやゾビラックス(抗ウィルス剤)は、医師の処方箋がないと手に入らない。ドラックストアでは買えない。とにかく、服薬がいちばんいい。塗薬もあるけど、気休め程度(と、担当の医師に聞いた)。病院でバルトレックスをもらい、のみつつ、体を騙しだまし仕事は日常どおり続ける。アタマの回路が論理的に回らない。20過ぎからこのウィルスと付き合ってきた経験則からいえば、自宅でゆっくり静養したからすぐ治るわけでもない。焦れるが、焦れるといいことがないのも経験則。しずかに、淡々と軟着陸しましょうね。しかし、この病気で会社を年に何回か休むことが致命的な場合もあるだろうに。ぼくは、自分の身体の「疲れてんのよ、休ませて!」という叫び声だ、と思うことにしている*1


 この2週間コツコツ進めていた『フリーターにとって自由とは何か』の最後の校正原稿を、編集者さんに送った。しつようにまだ作業を続けてたんですね、自分。ごめん。もう内容がいいんだか悪いんだか自分ではわかんないとしかいえない疲弊感――同時にそれは杉田が編集者さんにしつように強いたものでもある――の中で、今の自分のこれが限界だ、という感覚が、水底の汚泥からすくいとった何かの原石のように、あった。人生上のささやかな「自信」は、ひっそりと、疲弊の継続(まだ何も始まっちゃいない!)と共に訪れるんだろうか。でも華々しい感覚は全然ない。ひどい目にあうのはこれからだろう。


 ↓少し前に、8年ぶり?にビデオで見直し、いたく心がいたんだ。父親のしずかな絶望、娘のしずかな希望。夢のように一体化する前半部の家族と、どうしようもなく微妙にズレていく後半部の家族。後半に至っても、娘は父を昔のように愛していないわけではない。愛していないわけではないけど、一体的に愛することは既にできない(ガラスわずか一枚を隔ててくりひろげられる幸福な他人の結婚式)。ただ、父の謎の多くがそこにふくまれていた「南」へ、娘は出発しようとする。


エル・スール [DVD]

エル・スール [DVD]

*1:それにしても、はてなダイアリーで「ヘルペスにかかった」と書いている人が多いな・・。