最近の仕事(土本典昭論)



 ◇「災厄と映像――土本典昭と「甦り」の映画」(46枚、「すばる」、2014年1月号、集英社


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 土本典昭のドキュメンタリーに遡行しつつ、「3・11」以降の映像表現のことを考えています。 
 僕自身の生の甦りを込めて、書いたつもりです。
 今回は本当に、自分一人の力ではなく、「すばる」の若い編集者・吉田さんとの協働作業だったという気がしています。それはとても幸運なことでした。僕自身の力だけではダメだった。一人ではなかった。 
 もう一〇年近く前に、一番最初のフリーター本を、人文書院の松岡さんに見出され、協働作業のようにして刊行した時の、初産の痛みと喜びの記憶を、みずみずしく思い出しました。
 感謝いたします。


 (追記)なお2013年は「すばる」に三つの書評を書いた。どれも短いものだが、「批評」の魂を現代に引き継ぐ稀有な書き手たちの、それぞれに決定的な一冊に向き合う機会を与えられた(山城むつみ氏の『連続する問題』についても別の機会に何か書きたい)。あわせて感謝する。


 ◇「新しい《言葉》への大いなる助走――藤田直哉『虚構内存在』」(「すばる」2013年4月号)
 ◇「怒りと優しさ、そして淋しさ――大澤信亮『新世紀神曲』」(「すばる」2013年8月号)
 ◇「物語と自己変貌――中島岳志血盟団事件』」(「すばる」2013年11月号)