お知らせ(ポリティカル・フィクション批評宣言?)

 作品社のウェブに、杉田俊介ジョジョ論』の「序文」、『戦争と虚構』の「はじめに」、藤田直哉シン・ゴジラ論』の「序」、笠井潔『テロルとゴジラ』の冒頭部分がそれぞれアップされています。


ジョジョ論』
http://www.sakuhinsha.com/nonfiction/26337.html
『戦争と虚構』
http://www.sakuhinsha.com/nonfiction/26603.html
シン・ゴジラ論』
http://www.sakuhinsha.com/nonfiction/26122.html
『テロルとゴジラ
http://www.sakuhinsha.com/nonfiction/26061.html


 笠井潔氏と押井守氏の対談本『創造元年1968』を含め、作品社刊行のこれらの著書は、互いに星座のように関係しあう内容になっています。叢書とはまだ言えませんが、政治と芸術を同時に理論的に論じる「ポリティカルフィクション批評(PF批評)」のための一つの拠点を作っていければ、と考えています。笠井・藤田・杉田の連続対談も近日、作品社のウェブに掲載予定です。題名は「ポリティカルフィクション批評宣言!」という感じになるかと。他にも様々な著作や企画が連動していくはずです。
 ここからは杉田個人の見解ですが、右派は「芸術や文化に政治を持ち込むな」という時勢主義的な抑圧に腐心し、リベラル派は「近代経済学や政策論に基づいて語れ、もしくはアカデミズムに準じろ、無力な文化左翼は黙っていろ」というシニシズムを振りまく中、「政治と芸術」の問題を再検討し、いわば文化左翼(左)的な批評の強度を取り戻し、政治的美学批評をリブートすること。ベンヤミンバフチンドゥルーズも、そういう観点なしに読めるとは思えません(ここでいう文化左翼とは、文化やコンテンツの問題「だけ」を語るのではなく、それらと資本主義やグローバルな労働の問題を重層決定的に「同時に」論じる立場のことである、と個人的に考えています)。
 地道に地味に、じわじわと活動していくつもりですので、注目しておいて頂ければありがたいです。