社会福祉法人の今後

 社会保障審議会「福祉部会」が、「社会福祉法人制度の見直しについて」という意見書を出している。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1208-2.html


 障害者福祉に関しては、今の所、入所施設や授産施設などの施設の運営は、NPO法人では出来ない。
 しかしグランドデザイン案を見ると、今後は部分的にNPO法人でも運営が可能になっていくようだ。(入所施設はダメらしい。)
 おおざっぱにみると、社会福祉法人NPO法人のありかたを近づけていく、という動向にあるらしい。簡単にいうと、助成金もなく人件費も少なくていいから、社会資源として安く使い回せるという判断なのだろうけれど。


 社会福祉法人は、次の三つの面で経済的な助成を受けている。
 (よく誤解されるけど、NPO法人にはこの種の助成金はまったくありませんので!)


 (1)法人税や固定資産税の非課税など、税制上の優遇措置
 (2)施設整備のための補助
 (3)退職手当共済制度の給付に関する助成


 これらの助成は「サービスの安定供給」という名目で与えられている。例えば入所施設が、経営がうまくいかないからといって、ポンと運営をやめてしまったら、困るわけです。それから、法人が営利に走ることを行政は警戒し、指導的に「一法人一事業」という原則を課している問題もある。
 しかし他方でそれが「新たな福祉ニーズに対応した取組を実践しようという意欲の乏しさ」を生み出している、とも批判される。つまり、福祉サービスに不可欠な柔軟性と臨機応変性に欠けるわけですね。
 社会保障審議会の資料をみると、これらの補助をじょじょに減らしていくつもりのようだ(ただ、それでもまだ既得権は相当に守られている)。
 (3)の退職手当共済制度の助成について、介護保険分野では1割カットが始まるが、障害者・児分野では今回は見送り、とある。


 現実問題として、現行の社福系の施設はどうなっていくのだろうか。(社福系の施設職員の話を聞くと、大部分の人はあまり危機感を感じていない様子なのだが・・・)