「訪問介護は定額払い制に」の記事について【追記=8日】

 上の共同通信の記事↑だが、「誤報」、少なくとも「フライング」らしい、とlessorさんのHPで知る(http://d.hatena.ne.jp/lessor/20050507)。


 茨城県議会議員の井手よしひろ氏が厚生労働省老健局老人保健課に問い合わせたところ、「訪問介護に定額制を導入するという決定をした事実はない」との「回答」があったという(http://blog.hitachi-net.jp/archives/21010116.html)。


 その意味では杉田も「ともあれ、誤報の普及に自分も一役かってしまった。お詫びしたい」と述べるしかないのだが、それとは別に、福祉制度の動向に関しては「新聞に驚くべき記事(しかしああやっぱりそうなるだろうなと漠然と予測可能な)が載る」→「どこかの議員さんが厚生労働省なりの関係省庁に問い合わせる」→「誤報ですとの回答がある」→「しかし実質的には最初の記事の内容どおりにことがじわじわ進んでいく」……というパターンが見られる気がする。「支援費と介護保険の統合」の件もそうだし、「介護福祉士の義務化(ヘルパー2級の廃止)」もそうだった。そしてこれらもある意味でいまだに「誤報」なのだが、真偽の水準とは別に、実質的にはこの流れは着実に進んでいる。真偽の水準が大事なのは当然なのだが、それとは別のこの《政治》のプロセスが最近よりリアルに肌で感じ取られる気がする。少なくとも、官僚的な力のレベルは、「真偽」という原則とは相当異質な次元で動いているわけだし、その事実への自覚は自分たち障害者福祉関係者には必須なのだが、その中でなお言葉の「真偽」がやっぱり大切だとすれば、それはどういうかたちで「政治=力」の次元に切り込んでいけるんだろうか(大西巨人神聖喜劇』を素朴に思い出すんだけど)。