チェルフィッチュ『エンジョイ』に寄せて

 チェルフィッチュの新作『エンジョイ』の公演が迫っている(2006年12月7日〜23日、http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000119.html)。
 そのパンフレットに「労働のふるさと――『エンジョイ』に寄せて」という短い文章を書かせて頂いた。岡田利規さんによると、『エンジョイ』の「参考文献」は杉田の『フリーターにとって「自由」とは何か』なんだという。ありがたい話。
 で、昨日、初台の新国立劇場地下で、稽古を見学させてもらったのだけれど、稽古自体が無茶苦茶フシギな空間で、俳優さんの演技に対して岡田さんが「もっと言葉をはがしてはがして」「今のは言葉をしゃべっている」「フレーズで踊らないで」「絵を取るってことはフレーズから離れるってことなんだよ」「きもち、イメージ、言葉、からはがす、はがして」とか、現代詩のような謎の言葉(普通のわかりやすい日本語なんだけど、もはや日本語とは思えないような)が飛び交い、一つの場面を延々30回ぐらいやり直したりして、稽古場に緊張しつつも弛緩した空気が流れていて、それ自体をビデオに収めたら面白いんじゃないの、なんかストローブ=ユイレみたい、という感じなのだった。