中村珍『チェリオ』にグッときた



 ヤングジャンプ(07/5/24号)が「めざせ!働王」という特集を組んでいる。


 プロレタリアマンガ?のポテンシャルにはすさまじいものがあるはずだってずっと思っていて。


 友人から薦められて中村珍さん(21歳女性)の『チェリオ』という読切マンガを読んだ。かなりグッときた。
 28歳フリーター男性の話。コンビニ夜勤とハンバーガーチェーン店バイトかけもち。
 「頑張ったら報われる」ことは嘘だってわかっていて、「頑張ったって報われる事はない/ただ暮らしていられるだけ」なのだけれど、「それにスネたら不本意に負けるだけ」だから(この世の何かに本当に負けてしまうから)、なお「頑張る」。
自己責任論としての「もっと頑張れるはずだ」じゃない。「頑張る」の意味がチューンアップされている。
 このぎりぎりの感覚から出発して、純粋被害者として破壊願望に身をゆだねるのでもなく、しかし自分の鏡像に「お疲れ」と言うだけでもなく——さらに人生の「次」に進むには、どうすればいいんだろうか。
 っていうか、この「色々あるよな」という場所から見えてくるものを、自分はどれだけ「見る」ことができているんだろうか。わからん。


 中村さんのHPとブログ。
http://1525.boo.jp/mainframe.html
http://days.ching.tv/
 5月10日の記事も。