マンガ

『1995年――未了の問題圏』

『1995年――未了の問題圏』(大月書店)という本に参加しています。まもなく刊行の予定です。 http://www.otsukishoten.co.jp/cgi-bin/otsukishotenhon/siteup.cgi?&category=1&page=1&view=&detail=on&no=226 戦後史の結節点としての〈1995年〉から照射…

田中ユタカ『愛人(アイレン)』

長らくブログでは紹介し損ねていましたが、田中ユタカさんの『愛人(アイレン)』はマジにヤバイ作品です。つまらない言い方ですが、生命倫理&セカイ系&男性非モテの極北であり、『寄生獣』や『ナウシカ』に匹敵するマンガだと思います。主要人物はみな難…

『ユリイカ』に荒木飛呂彦先生についての原稿を

ご無沙汰しております。 『ユリイカ』の荒木飛呂彦先生の特集号(2007年11月臨時増刊号)に原稿を書かせて頂きました。 http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B9%D3%CC%DA%C8%F4%CF%A4%C9%A7 感無量でございます。今までで一番書いていて楽しかった原…

ネウロと絶対悪

魔人探偵脳噛ネウロ(12) (ジャンプコミックス) [ 松井優征 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > コミック > 少年 > 集英社 ジャンプCショップ: 楽天ブックス価格: 421円 『ネウロ』の今週号はやばかった。 X(サイ)を超える「絶対悪」の唐突の登場。アイ…

中村珍『チェリオ』にグッときた

ヤングジャンプ(07/5/24号)が「めざせ!働王」という特集を組んでいる。 プロレタリアマンガ?のポテンシャルにはすさまじいものがあるはずだってずっと思っていて。 友人から薦められて中村珍さん(21歳女性)の『チェリオ』という読切マンガを読んだ。…

殺し合いの螺旋/小さく弱い者

『バガボンド』25巻を読む。 吉岡編から武蔵は「天才」になってしまった。天才と凡人は「わかりあえない」。コミュニケーション自体がもう成り立たないのだ。吉岡編から、『バガボンド』のディメンションが少し変わったように思う(中上健次の『地の果て至…

『蟲師』

連れの『蟲師』(8巻まで)を読む。五十嵐大介の時も感じたけど、こういう「生命観」には大事なものがあるって思う。ギンコの蟲師としてのお師匠さんみたいな女性は、自分の夫と子どもを蟲に取り込まれ、永久に失ってしまう。自分も片目を失い、命が尽きる…

『ひぐらしのなく頃に』

あ、マンガで『ひぐらしのなく頃に』読みました(鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編)。ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(1) (ガンガンコミックス)作者: 竜騎士07,鈴羅木かりん出版社/メーカー: スクウェア・エニックス発売日: 2005/12/22メディア: コミック購入: 1…

小林よしのり『脱正義論』『戦争論』

小林よしのりのマンガを初めて読んだ(正確に言うと、10年位前にごく初期の『ゴーマニズム宣言』は少しだけ読んでいた)。 ◇『脱正義論』(一九九六年六月) ◇『戦争論1』(一九九八年七月) 薬害エイズ運動の経験をマンガ化した『脱正義論』には、率直に…

古谷実の作品に漲るゆるせなさについて

大澤信亮氏の『マンガ・イデオロギー』第5回「悪あるいは実存のトラジック・コミック」を読んだ。思うところがあった。古谷実の作品に漲るゆるせなさについて。の、短いノート。 大澤氏は古谷作品の笑いと悪の関係を問う。だがまず、ぼくは社会学的な悪と実…

魔人探偵脳噛ネウロ

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/07/04メディア: コミック購入: 3人 クリック: 98回この商品を含むブログ (235件) を見る ジャンプ連載の『魔人探偵脳噛ネウロ』が好きなのだった。ジョジョ魂…

『NHKにようこそ!』

ありとあらゆるダメ人間が、そしてダメ人間を魅惑する「罠」が、スラップスティックにこれでもかとばかりに登場する(オンラインゲーム、マルチ商法、自殺オフ会などなど)。主人公のひきこもり青年を「わたしよりダメな人はあなたしかいない、あなたが必要…

『あしたのジョー』を読み返した。

(講談社漫画文庫)" title="あしたのジョー(12) (講談社漫画文庫)">あしたのジョー(12) (講談社漫画文庫)作者: ちばてつや,高森朝雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/11/01メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (24件) を見る 『あしたのジ…

森恒二『ホーリーランド』、ザッカン

――「純粋な戦いの場など、そもそもあるのか。それは何かを捨象した結果ではないのか。」(「美しい日本の戦い」) 大澤信亮氏は、「美しい日本の戦い」というエッセイでこう書いている、 戦後日本の主流マンガには「ライバルとの戦いの中で互いが成長し合う…

島本和彦『逆境ナイン』

最高。『吼えろペン』も面白いです。 逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/04メディア: コミック クリック: 47回この商品を含むブログ (168件) を見る