労働運動/精神障害・メンヘル系
下記のイベントだった。
http://d.hatena.ne.jp/sugitasyunsuke/20070830/p1
「こわれ者の祭典」の月乃光司さんが、mixiで
《最近、プレカリアート運動と「心の健康問題」を持つ人々の持つべき考え方について、 相反する部分があるような気がしてきました》云々と書いていて、この労働運動/精神障害・メンヘル系のずれや「相反する部分」のことはとても大事ではないかと以前から思っていたので、その辺りを月乃さんには聞いてみた。
月乃さんは最後に「自分が労働問題に積極的に関わることは一生ないとわかった」とはっきり言っていた。今日皆さんと話していてそのことがわかった、と。
「怒らないこと、闘わないこと、論争しないこと、 現状をなにがなんでも感謝すること」 ということが、アルコール依存症者が再飲酒しないポイントであるらしく、それは月乃さん自身が精神病院を退院してからずっと考え、訓練してきたことだという。
月乃さんは「おれがネットラジオを聴いていたら、皆さん(労働運動系)の議論を聞いても全然面白いと思わないし、ぜんぜん届かないと思う」とも言った。「おれだったら自分は今までこうしてきた、という自分のライフスタイルを会場にすら来れない人たちに伝えるし、それしかできないと思う」と。
たとえばべてるの家の人びとは「弱さを絆に」「弱さの情報公開」「昇る人生より降りる人生」と言った*1。重症心身障害児者を守る会の原則は「決して争ってはいけない、争いの中に弱いものの生きる場はない」「親個人がいかなる主義主張があっても重症児運動に参加する者は党派を超える」「最も弱いものをひとりももれなく守る」だった。月乃さんの感覚の延長上には(ピアカン/自助グループのみならず)こういう集団性の原則と実践が見通されてもいるだろう。確かにそれらは労働運動ばかりか、協同組合的な空間に対しても「相反する部分」を持ち続けるのかもしれない。この「相反する部分」から何を考えられるか、を今考えている。
月乃さんのスタンスに対するぼくの違和感はその場で述べた。そのうちポッドキャストになると思うので、よければどうぞ。
結果的に、終盤になるに連れて議論に亀裂が生じ、個人的にはとても面白いイベントになったと思う。