介護労働者はフリーターの典型?

 「福祉・介護労働者」の実像は実はあんまりよくわからない。どれだけデータ・研究の積み重ねがあるのかも実はあまり知らない。
 福祉労働を「労働」という観点から今後あれこれ調べたいデス。


 介護職員の7割が「不安や不満」 全国3千人調査 (朝日新聞1月4日夕刊)

 →http://www.asahi.com/national/update/0104/018.html

 7割が仕事への不安や不満を抱え、4人に1人は「ほかにやりたい仕事が見つかるまで」と考えている――。全国の介護施設に勤める職員のこんな「本音」が、厚生労働省所管の公益法人「介護労働安定センター」の調査で明らかになった。

 調査は03年末に実施。介護施設の職員約3000人から回答を得て、昨年末にまとめた。

 働く上で何らかの「不安や不満がある」は74.8%を占めた。内容(複数回答)では「賃金が安い」が54.7%でトップ。「介護の仕事に対する社会的評価が低い」(29.9%)、「お世話している人に事故が起こった時の補償で不安がある」(33.3%)が多かった。

 介護職を選んだ理由では、「介護や福祉の仕事に関心があった」が最も多く69.6%。だが、勤め出すと変化がみられ、現在の仕事をいつまで続けるかでは、「定年まで」は半数以下の43.6%。「ほかにやりたい仕事が見つかるまで」が25.3%に上った。

 賃金については、諸手当を含めた月額給与は平均18万1000円。職種別では、看護師が21万2000円、理学療法士などリハビリテーション職が24万6000円に対し、介護職員は16万9000円と低かった。介護職員に聞いた希望月額は21万9000円で、5万円の開きがあった。 (01/04 17:31)



 参考までに、2002年度の調査の方も。


 同じく、介護労働センターの調査――
 全国の介護分野一万事業所を対象に実施(二〇〇二年一一月二二日〜一二月五日、有効回答二七七八事業所、回答率二七.八%)(以下の引用は「介護労働と福祉社会」http://www.ops.dti.ne.jp/~t-otani/kaigo.html


平均の賃金は月給者で二二万円、日給者は一五万円弱、時間給では九万円、「全体の平均勤続年数も三年三ヶ月となり、他の業種と比べると短い」「離職率も二〇%と高く入れ替わりが激しい」。

 法人格別平均で比較すると、月給額がもっとも高いのは、生協、農協で二二万円台、ついで公益法人二一万円、社会福祉法人が二〇万円となっている。民間企業、医療法人、社会福祉協議会が一九万円台に並んでいる。NPOは一五万六千円ともっとも低い。



 施設系/訪問介護系のちがいもはっきり出ている。

 老人保健施設特別養護老人ホームは従業員の平均年齢が三五歳あたりで、二〇代が四〇%を超えている。訪問介護では四〇歳代以降が七五.四%を占め、平均年齢も四七.六歳と高い。若年層が労働力の中心である施設サービスと、年齢の高い人が圧倒的に多くを占めている訪問介護との対比が、明確にでている。
 雇用形態別にみると、居宅介護支援や施設では正社員が八割以上を占めている。訪問介護では登録ヘルパーが五〇%を占め、残りを非正社員二七.一%と正社員二一.四%で編成している。訪問リハビリテーションと訪問入浴も登録ヘルパーが多い。施設は正社員中心で、訪問系サービスは登録型中心の構成になっている。