福祉関係者はとっくにご存知かと思うが・・。シルバー新報(http://www.silver-news.com/silver/newest.html)より。

 介護職員基礎研修カリキュラム 新規就業者は500時間


 厚生労働省は、二○○六年度から現行のヘルパー研修を見直した「介護職員基礎研修」を導入する。具体的な研修体系や運営のあり方を検討していた同省の研究会(座長・堀田力さわやか福祉財団理事長)がこのほど、講義・演習三六○時間、実習一四○時間の合計五○○時間とする研修カリキュラムをまとめた。在宅・施設を問わず、新たに介護サービスに従事しようとする場合には受講が義務付けられることになる。すでにヘルパー資格を持っている人や無資格の施設職員などについては受講科目を免除する措置を設けて受講を促す。報告書では、研修の質が確保されるよう、修了時の評価を行うことや研修機関に対する教育も必要と指摘。年度内の最終報告でガイドラインを示すとしている。


 現行のヘルパー研修に代わる基礎研修の導入は、将来的に介護職員に国家資格である介護福祉士資格を義務付けるための移行策の位置付けだ。同研究会では、昨年度から資格取得前後を含む介護職の生涯研修体系について検討しており、昨年十一月に取りまとめた第一次中間報告の中で、介護福祉士の資格を持たないヘルパーのレベルアップと新規就業者の就業要件とするために、施設・在宅共通の基礎研修の創設を提案していた。


 今回まとめられた第二次中間報告では具体的な研修カリキュラムを提示。現行の一・二級研修の内容をベースにしているが、これまでバラバラだった講義・演習を一体的に学習できるよう一科目あたりの標準研修時間を三○時間とし、コミュニケーションや介護技術の修得に重点を置いて九○時間に拡充するなど大幅な見直しだ。「ソーシャルワーク」「生活支援とアセスメント」「認知症の理解」「医療との連携」の四科目は、個別ケアの実施能力の向上を目的に、新たに追加する。


 さらに実習も従来の三○時間から一四○時間に大幅拡充。施設で十日間、通所・小規模多機能事業所、訪問介護事業所でそれぞれ五日間程度とし、さらに介護保険事業所以外のNPO社協など地域の社会資源の訪問も半日程度行う。一日八時間めいっぱい行ったとしても二週間以上はかかる日程だ。


 新規就業者にはこの五○○時間が義務付けとなるが、すでにヘルパー資格を持つ現任者には、二級カリキュラムで足りない科目を追加で受講する措置を設けた。追加受講時間は一年以上の実務経験があるヘルパー二級者で一五二時間、実習は免除する。実務経験のないヘルパー二級者は三二○時間だ。また、施設職員など無資格で就業している介護職については、実務経験一年以上であれば実習は免除するが、それ以外は新たに全カリキュラムを受講する。いずれにしても無資格者の場合は、導入から一定期間内に基礎研修を受講することが必要とした。(以下略)

 介護福祉士の権益拡大(後発者のより若い人々が常にわりを食う)とか、資格ビジネスの拡大とか、財務省へのアピールとか、外国人介護労働者との差別化とか、まあ誰でも「本音」は知っているが、ほとほとつまらない話。「介護福祉士の資格を持たないヘルパーのレベルアップ」など、なんだかなあ。くだらない時間をくだらなく費やすくらいなら、現場で当事者と生きた関係をつくる時間にあてた方がマシだし、よっぽど本物の「実力」もつく。
 志も能力もある介護者が、それぞれの苦しい生活条件の中で、この程度の「淘汰」に負けず、ごく普通に仕事を続けられることを祈る。もちろん自分もそうありたい。まあ、この話が、万が一、介護労働者のちょっとした労働条件改善に結びつけばいいんだけど(外国籍労働者や周辺層の排除ではない形で)。