介助者イベントの後記と二つの告知



 ◆昨日のトークセッション「介助者たちは、どう生きていくのか?」。もともとは20〜30名のささやかな集まりの予定だった。しかし当日が近づくに連れ、様々な反響が届き、当日は120名を超える人々が結集した。殆どありえないような、わけのわからない、百鬼夜行的な顔ぶれだった。メモリアルな場だったと思う。しかしその分、介助者たちはまだまだ内なる無意識のリミッターを外せていない、と痛感もした(事実会場発言の半数近くが障害当事者のものだった。だがそれだけではない)。たとえば自立障害者集団友人組織グループ・ゴリラが、障害者から「介助者は自分の頭で考えたり介入したりすべきではない」と命じられたのではなく、自分たちで「自分たちはゴリラであるべきだ」と決意したとすれば、問題の根はさらに深い。そして労働観も生活条件も驚くほどバラバラであり、「労働者vs使用者」という類のエッジを作ることすら想像できない。しかし、この語りがたさ、沈黙の深さ、バラバラさこそが、介助者の労働/生存/家族運動のポイントに見える。賃金労働/家事労働/ボランティアのいずれでもあり、いずれでもないこと。能力と無能の揚棄小川てつオさんが「ついにパンドラの箱が開いたのだ」と繰り返していたのが印象的だった。そして、やがて介助者運動のオピニオンリーダーへと変貌するだろう渡邉琢氏は「障害者運動の歴史と魂を受け継ぎ、今日のこの場所を社会変革の発火点に」と言っていた(正確には、渡邉氏がそう言っていたと、ペペ長谷川氏が会場の人々へ告げていた)。僕も引き続き自分の卑近な現場で卑小な力を尽くそう。


 ◆5月30日(13時〜17時)に福島研究室/バリアフリープロジェクトの「バリアフリーカフェ」にシンポジストとして参加します。
 http://bfr.jp/
 他シンポジスト土屋葉、飯野由里子、コメンテーター福島智、大河内直之、司会星加良司(以上敬称略)という、かなり豪華な顔ぶれです。「多様性」の名のもと大同小異を強いる曖昧な排除を破り、各自の小異を共感ではなく敵対性によってぶつけ合わせ、その先でバリアからのフリー/バリアへのフリーを探ること。そんなことを話すつもりです。
 HPに告知はないけど、外部の人間も参加不可能ではないそうなので、関心のある方は杉田宛にご連絡を。


 ◆6月に大阪でFFイベントがあります。個人的には「男性性と自由」の問題、攻撃誘発性の中にすら宿る暴力のねじれと転移を考えたい。また労働/生存運動がメディアのバブルからも逆影響を受け、きな臭い内輪の暴力/慢性的疲弊/跳梁するお学者や活動家どもの搾取などに多角的に苦しめられつつある今、真の貧困の哲学の不在=無風状態とそれ以上に無残なまでの「精神の貧困」の馬脚を誰もがその人固有の無残さで露呈させつつある今、しかしその中で何人かが稀有な輝きを自らはなち始めつつある今、革めて集団性とは何か、集団と集団の連合の条件とは何か。そしてその先でソーシャルな交換の渦の中から産まれいずる世界性と個体性とは。

應典院寺町倶楽部第13 期会員のつどい開催記念シンポジウム


フリーターズフリー× ユニオンエクスタシー× 應典院寺町倶楽部>


井上昌哉さん(ユニオンエクスタシー)小川恭平さん(ユニオンエクスタシー)
生田武志さん(野宿者ネットワーク代表) 杉田俊介さん(ケア労働者・ライター)
大澤信亮さん(批評家)
【コーディネーター】
山口 洋典(應典院寺町倶楽部事務局長)


日時:2009 年6 月13 日(土) 13:30〜16:30※(予定)
※終了後ロビーにてワンコイン(500 円)交流会を開催させていただく予定です。
場所:應典院本堂ホール 参加費:500 円(應典院寺町倶楽部会員)1,000 円(一般)
申込:できるだけ下記のweb からお願いいたします。
http://uemachi.cotocoto.jp/event/30409
 問合:應典院寺町倶楽部 TEL 06-6771-7641 FAX 06-6770-3147 E-mail info@outenin.com