最近の仕事(スティーヴン・キング論)



 最近は若い頃に出会い、人生的な影響を受けた作家について書く機会がなぜか多いのですけれども(宮崎駿長渕剛ジョジョ筒井康隆法月綸太郎北野武村上春樹宇多田ヒカル……)、キングは高校の頃、最も愛読した作家の一人です。この機会に読み返したり、はじめて読む作品も沢山あったりして、本当に幸福な時間でした(どれも死ぬほど長いけど、そこがキングの味わいなわけです)。27年周期で邪神が甦る『イット』じゃないけれど、自分の27年前の青春と恐怖に向き合うようにしてキング論に挑みました(パラパラ確認したら誤字脱字が多く、それも青ざめるほどの恐怖でした)。ひたすら空虚で不毛だった青春期の自分を甦らせ、かつ、別れの挨拶を告げた気分になりました。原稿依頼から〆切まで10日ほどしか時間がなく、とても荒っぽい原稿になりましたが、逆に勢いに身を任せなきゃ書けなかったかもしれません。


 ◆「スティーヴン・キングと神」(25枚、「ユリイカ」2017年11月号)


 ちなみに僕のキング作品ベストはこんな感じです。


一位 『ペットセマタリー』
二位 『シャイニング』
三位 『イット』
四位 『ジェラルドのゲーム』
五位 『デスペレーション』or『グリーンマイル