移動の自由のこと・・(1)
知り合いに脳性まひ(けい直+アテトーゼ)の女の子がいる。
少し前に「全身性障害者ガイドヘルパー研修」を受けたのだけれど*1、彼女がその場で講師の一人として話したこと・・。
現在の体調は非常によい!ベストの状態。通常20歳を超えると老化の始まりで筋肉が硬くなると言われる。が、支援費制度でヘルパーを使い始めてからは、体に負担をかけない程度の外出と運動のため、むしろ体力が向上している。つまり、移動介護は、社会参加のためだけではなく、生命=肉体的なレベルでの能力維持のためにも役立っている・・・と。
・・ぼくは、けっこう目をひらかれました。
ガイドヘルパーが生まれる背景には、1975年の「障害者の権利宣言」や1981年の国際障害者年(完全参加と平等)などの流れがある。
日本では1974年から始まる(当時は「家庭奉仕員」と呼ばれた)。その後は「障害者社会参加促進事業」として続き、2003年に支援費制度の中で、本格的に位置付けられた。
さいきん《移動の自由》のことを考える。健常者には想像できないほど、日常生活で大きい制約がある(特に施設入所者)。例えば、満員電車に電動車椅子で乗りこむ。エスカレーター等を一時的に止めてリフトを使う。他に移動手段はない。すると時に「障害者だけ特別扱いかよ」と非難される。特別扱いではない。移動のノーマライゼーションを普通に考えると、そうなる。でもそれが「特別扱い」に思われ、ふつふつと「自分たちは障害者のために日頃忍耐し我慢してやっているんだ(税金まで支払って!)」という気分をひろげる。でも、真に我慢し耐え続けているのはどちらか。いや、自分も同じかも。時にネガティヴ感情が働くことが全くない、といえば嘘になる。例えばその子も、週一回、45分のリハビリを受けるため、東京の方まで行かねばならず、丸一日を費やしてしまう・・。
ちょっと細かすぎて詳しく書けない(というか聞いたけどぼくもよくわかんない)けど、本年度から、タクシー券/市バス・民営バスの無料パス、にも制度の変更があった。
今日は川崎初の重心施設ソレイユ川崎の開所日だった。今日の入所者はまだ2人。本年度から、ヘルパーの「痰の吸引」等も(訪問看護と連携する等の条件付きで)認められた。川崎の重心元年。事業所の代表がそう言った。